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10月号
BAU VOICE Users情報誌

 川田洋一の『僕の日頃思うこと...』 飛騨地方編

飛騨地方へ行く機会があり高山に寄ってきました。
この街は商人町で碁盤目に区画されており、昔から小京都といわれてます。
「三町」とよばれている一之町、二之町、三之町は「伝統的建造物群保存地区」として、古い面影を今でも残し、独特の格子、道の両側を流れる用水、軒下にまつられている秋葉様(※1)などが有名です。

天気の良い日に飛騨高山に着きました。駅前はどこの街も同じ景色で、小京都のイメージとは異なり、感動はあまりありません。
しかし、街へ出て散歩した時でした。街の真ん中を流れる宮川を越えたあたりから急に景色が変わっていきました。国指定の重要文化財の日下部民芸館をはじめ、町屋建築の集大成と言われる建物が建ち並び素晴らしい街並みなんです!

この日下部民芸館は明治12年に建築されたもので、雪国の民家らしく、低く深い重々しい軒。切妻造り段違い二階建て、一部吹き抜けの総桧〈ひのき〉造り。どっしりとした構えの中に美しい出格子、こげ茶色に塗った外部の仕上げ、内部は豪快に組み上げられた小屋組(屋根を構成する構造体)と広い土間などは、江戸時代そのままの技法を最大限に生かした民家建築の代表的建築物です。 現代建築ではつくることも見ることもありません。そういった間というべき空間に入り、時間の経つことも忘れ、しばしその空気に浸っていました。


先人が残してくれた美しい町を守りながらのまちづくりを、行政と民間が一体となって進めているところは前回の函館と一緒です。青森にはこういった街並み、運動もあまり聞きませんね。羨ましいです。

次回は世界遺産に登録されている白川郷編です。

(※1)軒下にある秋葉様
市内には、秋葉様と呼ばれる小さなやしろがあり、防火の神として信仰していました。
昔、町が全滅するほどの火災が何度かあった為でしょう。

 『かもな・マイハウス』  日曜大工組合 塗装部会長 上塗 塗装夫
欧米では、実に多くの建物が“ペンキ”で彩られている。
一方、日本では、神社仏閣に彩色が施されている他は、民家の高級な建具に用いられる程度であった。
“ペンキ”は単に建物の色彩の他に、木材を風雨から守る為にも用いたが、経年変化により亀裂や剥落を起すため、何度も塗り重ねる必要があった。
欧米人はこの点、実にまめで、安いペンキを日曜大工の作業として塗装した。
さらに、色を変えることも容易であったためペンキ塗りはことの他、模様替えに役立った。
日本はというと、多くは「白木造り」に価値を求め、長い年月の経過に風情を見い出すなど、欧米とはきわだった対比をなした。
構造的な違いもあり、日本では増改築の時にしか手を加えない「一度建てたらかまわない(かもね)」日本人スタイルが出来たのであろう。

いやあ〜、めっきり秋めいてまいりました。
食欲アップ、エコねえちゃん肥ゆる秋です!
さて皆様、近頃よく『スローフード』って耳にしませんか?
家族から、早食い(職場では遅いほうだと思うんですがね…)
と言われる私はこの言葉を聞くとドキッとするんですが、どうも時間をかけて食べるということではないらしいんです。

15年くらい前にイタリアのおっちゃん達がファーストフードに対してこう言ったのが由来みたいなので、食事の時間をとっても大事にするイタリア人らしい発想だわね〜とただの流行語かと思っていた私は『スローフード』の大義名分を聞いてまたドキリ。
いつも何気なく口にしている食べ物を、じっくり見つめ直して、素材や料理について考えたり、共に食事をする人との会話を楽める生活を大切にしましょう、という世界45カ国(約6万人の会員:国際本部は北イタリア、ピエモンテ州のブラ村)にわたる運動なんだそうです。
その運動内容は
 ・消えつつある郷土料理や質の高い食品を守る
 ・質の高い素材を提供してくれる小生産者を守る
 ・子供達を含めた消費者全体に、味の教育を進める
といったことです。そして『スローフード』とは人間の生活の根っこの部分に関わる人生哲学(!)とも言っています。
哲学はゲゲ〜ッですが、つまり私的に言えば「よい食べ物とよいレシピで作った美味しいものを大好きな人達と健やかにどんどん食べよう!」ってことなのね!?と解釈したいと思います。

え?私は、どんどん食べないほうがいいって?
あなたのやさしさが身にしみる秋です…。

BAU講座 『あかり』
ライティングプロジェクト 照明士 山谷雅英氏による
『あ・か・り』を紹介します。

あかりサロン3 

植物をくり抜いて製作した照明
前回に引き続き、蛍光灯と白熱灯の使い分けについて述べてみます。
人間が一日の疲れを癒キ一番の場所である寝室・・・
この場所に緊張感は必要ありません。当然白熱灯のやわらかいあかりが求められます。
人間が睡眠するのに適しているのは月あかり位が丁度良いと言われています。
低い位置からの足元の白熱灯か、枕元のスタンドで十分な明るさを保つことができます。
ただ、天井と壁の間や床と壁の間を間接照明とした場合などは蛍光灯を使用すると照らす面が均一になり効率的です。できれば電球色もしくは、温白色の蛍光管を使用すると光がやわらかくなります。


店舗の照明ですが、天井と壁の間には蛍光灯の間接照明、その他は白熱灯のやわらかいあかりを使い、各シーンに合わせた使い方をします。
日本特有の和室・・・
最近の住宅の中では存在感が薄くなり、中には和室が全く無い住宅も見られます。
庭から差し込む陽の光が縁側を通り障子の隙間から畳にのびる、、、
古来の和室は畳に座って目に映る角度で作られています。
当然、頭の上を照らす照明などは無かったはずです。
まして青白い蛍光灯の光りは論外です。また、畳の目が数えられるほど明るくする必要もなく、白熱灯を利用した間接照明や、低い位置からの行灯のあかりが和室をやわらかく引き出してくれます。
蛍光灯を多用し、ただ明るさと効率だけを考えて作られた、いわゆる「和室用」とカタログに載っている照明器具,このメーカー策略により、日本の和室はやたらと明るくなってしまったように思います。ただ、最近あるメーカーが和風照明の中から蛍光灯を少なくし、白熱灯の照明器具を主流にして日本本来の和のあかりを取り戻す動きをしていることに注目しいます。
和室は和室らしく、夜は夜らしく、、、夜に昼ほどの明るさは必要ないと考えます。

ライティングプロジェクト(株式会社 北電) Home Page  http://www.hoku-den.co.jp

 科学のあしあとと未来 最終回
アーサー・C・クラークの著書『2001年宇宙の旅』に象徴されるように21世紀には、人類はもっと宇宙へ行動範囲を広げると予想され、事実それを実現させる為に多大なエネルギーを注いできました。
しかしスペースシャトルやブランによる有人宇宙船計画の事実上の失敗により、私達一般人の宇宙旅行は、まだ先の話しになりそうな気配です。
手軽に宇宙旅行が出来るようになっていない今の段階では、私達にはあまり馴染みもありがたみも感じられない宇宙開発ですが、そこで得られた技術が徐々に、日常生活の中で実用化されてきています。
人工衛星に重いバッテリーを搭載する替わりに用いられ、研究が進められた太陽電池は、住宅の屋根の上での太陽光発電などに用いられ、昼夜の電力消費量の差から生じる発電施設の負担減に役立ったり、発電施設が整っていない、また、発電施設から送電するのが困難な程の広い国土の途上国などで重宝されています。
また、宇宙飛行士に電気と水と熱を供給する為に用いられてきた燃料電池は、コスト高がネックとなってまだ試験的要素も強いのですが、ガソリンに替わる自動車の次のエネルギー源として、またコジェネレーション(一つの装置から複数のエネルギーを得る事、燃料電池の場合は電気と温水)の優等生として、集合住宅などのエネルギー源として用いられてきています。
近代科学が発達する以前、人類は生態系の一部であり、、環境の中で循環する生活様式を持ち、『知恵』によって 自然と共生していましたが、『科学』の発達と共に自然と懸け離れ、エネルギー消費型へと生活様式も変化してしまいました。
残念ながら宇宙旅行が楽しめる21世紀は迎えられませんでしたが、そこで培った『科学』を『知恵』によって活かして、もう一度循環可能な社会を目指す世紀なのかナ?とエネルギー消費量がひたすら増加の一途を辿った19世紀、20世紀を振り返ってみたとき思うのででした。
--完--

 建築るぷぷ青森 vol.4 (津軽半島編)

竜泊ライン国道339号線を通って(※1)小泊村 権現崎へ。
ここも地図で言うと先っちょです。
途中、道の駅「こどまりポントマリ」があります。
先っちょを目指しキャニオンハウスへ。
断崖絶壁の権現崎の頂上には30分ぐらい登りますが、ここも絶景です。晴れていれば岩木山、十三湖、鯵ヶ沢、北海道がきれいに見えます。
なんとなく青森県の地形がわかってしまうんです!!
次は 小説「津軽」の像記念館へ。
太宰治が津軽地方を探訪し書いた「津軽」。この作品のクライマックスは幼年時代の子守りで、育ての親ともいうべき「タケ」と30年ぶりに再会する場面なんですが、この場面を再現した小説「津軽」の像は、二人が出会った小泊小学校の運動場のとなりにあります。
すぐ隣にある記念館では、「津軽」が誕生するまでの経緯や、タケと太宰の出会いの場面について、貴重な資料や映像を通して知ることができます。
さて国道339号に戻ります。車力村に入りますと、
高山稲荷神社の看板があちこちに見えてきます。
七里長浜を望む「高山稲荷神社」は、五穀豊穣、海上安全、商売繁盛の神様です。
神社の石段を登りきると、眼下には小公園があり、無数(※2)の赤い鳥居が曲線を描きながら続いています。不思議な光景です。
また、ここは「チェスボローCUP水泳駅伝」で有名なところです。
車力村沖合で座礁、沈没した米国のチェスボロー号の船員を、当時の村民たちが手厚く救助、介護したことが由来です。
すぐ南には氷河期の埋没林(針葉樹)があります。
針葉樹は剥き出しで見えています。
ここは七里長浜がとてもきれいに見えて先ほどまでいた権現崎も遠くに見ることが出来ます。
ここから、ベンセ湿原、金木を通って青森に、、、
ん〜今回で、青森へ帰ってくる予定でしたが、紙面の関係で、まだ帰れません。
次回で津軽半島編を終わりにしたいと思います。

▲道の駅「ポントマリ」1階RC造,2階木造2階建 設計:八洲建築設計事務所
▲小説「津軽」の像記念館木造平家 建設計:RAB開発1級建築士事務所

小説を読んでから行きたいですね。

▲高山稲荷神社 この鳥居は圧巻です。

▲埋没林(木造町)
※1 冬期間は閉鎖されています。
※2 201基あるそうです。

 連載井戸端会議 第19回

「ねえねえ、最近、一般住宅の設計コンペ(設計競技)の話題を良く聞くけど、、、」
『そうだね。インターネットとかで建築主が自分の住宅を設計してくれる設計案を公募して、一番気に入った設計者を選んだりすりことだね。』
「へ〜そうなんだ。なんか凄いね!」
『う〜ん、でも一概に良いところだけじゃないと私は感じているんだ。』
「ん、どういうこと?」
『確かに全国から設計者が設計案を応募してきて、本人の好きな設計を選択できると思うんだけど、設計者と建築主の接点があまりに少なすぎると思うんだ。』
「コンペは直接話とかしないし、箇条書きで希望を伝えるだけだからね。」
『そう。できることなら、時間をかけて打合せをし、その人の生活スタイルや考え方を把握した上で設計を進めていくのが良いと思うんだ。また、施主サイドに立った建築の専門家を相談相手として、十分な意志疎通をしながら満足のいく住宅を造りあげていくことが大切なんじゃないかと。』
「そうだよね。」
『だから、「優れた設計案」よりも「優れた設計者」を選んでそこから 良い設計案を一緒に考えていった方が間違いが無いと思う。
下手をしたら、奇抜なデザイン,無理な設計・予算オーバー・見えないところで予算下げ・低性能住宅 になりえないともいいきれないからね』
「そっか、見た目重視、当選したいが為の過剰設計もあり得るからね。」
『その地域の気候や地域性、周りの環境についても地元の建築士に分があるからね。』
「じゃあ、設計案を選定する際に専門家にアドバイスをお願いしたら?」
『だったら、その専門家に頼んだ方が早いじゃん。』
「もっともっと建築士の仕事をアピールしないとね。」
『さあ、がんばろっか』



『陸・矩・建ち・通り(ろく・かね・たち・とおり)

「陸」・・水平のことを言い、水平でない場合を不陸と言う。
「床の不陸が目立つ」などと使う。
また、平らな屋根を「陸屋根」と言う。
「矩」・・直角のことを言う。
「矩が出ていない」とは直角になっていないこと。
「建ち」・・垂直のことを言う。
「建ちが悪い」と言えば垂直になっていないこと。
柱を建てる際にも「建ちを見る」などと使う。
「通り」・・一直線になっていることを言う。
手すりなど、一直線であるべきものが途中で曲がっている場合、「通りが悪い」と使う。

最近、日中でも寒い日が少しずつ多くなってきましたね。
ふと考えるとこの新聞も3年目に近付いてきました。
A4版から始まった創刊号、途中、伝えたいことが多くなり、紙面拡大でA3版へ。編集が大変になりました。
振り返って、今まで発行してきてきたものを読み直すと、その時に苦労してつくった記事が懐かしく感じます。
それと共に趣味の記事が増え、この通信も設計事務所が出しているものだとは見えなくなってきていたことに最近気付きました。建築の情報に力を入れ、今後も盛り沢山の編集に力を入れていきたいと思います。
最後まで読んでいただいた方にお知らせです。
さて、このBAU通信、皆様のお手元には白黒の紙面で届いていますが、原本はカラーなんです。それをコピーしているのですが、このカラー原本の美しさは白黒と全然違います。
是非、見てもらいたいと思っていますが経費の関係でお見せできないのが残念でなりません。が!!なんと、若干に限り、カラーで送ることが可能となりました。
(HomePage上にアップしてるのもカラーですが全然違います)希望者には特製カラー版をお送りしますので、
下記の
E-MailかHome Page上の質問コーナー、または電話でカラー希望をお知らせください。準備が出来次第お送りします。尚、その際にはご面倒でも、このBAU通信の感想を書いていただけたらとても嬉しいです。自分で言うのも変ですが、本当にきれいに仕上っていますよ。

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